大人の英会話初心者におすすめの英語本5選|教室の社長が目的別に選び方を解説

英会話教室で自分に合う英語本を選ぶ大人初心者の女性

英会話を始めようと思って本屋へ行くと、中学英文法、単語帳、フレーズ集、発音、リスニングなど、たくさんの英語本が並んでいます。「人気の本なら間違いない」と思って買ったものの、難しくて開かなくなった経験がある方もいるでしょう。

大人の英会話初心者に必要なのは、何冊もの教材ではありません。今の課題に合う一冊を選び、その本の英語を声に出し、実際のレッスンで使うことです。

この記事では、英会話教室を20年以上運営し、大人の初心者を見てきた立場から、目的別に使いやすい英語本を5冊紹介します。それぞれについて、向いている人、注意したい人、英会話レッスンとの組み合わせ方まで解説します。

結論|最初に買う英語本は「今いちばん困っていること」で選ぶ

最初から5冊すべてを買う必要はありません。まず、次のうち自分に最も近い悩みを一つ選びましょう。

今の悩み 最初の候補 レッスンでの使い方
中学英文法をかなり忘れた 中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。 習った型で自分の文を作る
分かるのに英文が口から出ない どんどん話すための瞬間英作文トレーニング 言えなかった文型を会話で試す
基本単語が不足している キクタン Entry 2000 覚えた語で一文を作る
短い自然な受け答えを増やしたい 英会話なるほどフレーズ100 毎回一つの表現を使う
英語で英文法を理解したい Basic Grammar in Use 分からない例文を講師へ質問する

文法、単語、発音、会話表現を同時に完璧にしようとすると、どの本も途中になりやすくなります。迷う方は、大人初心者が挫折しにくい英語教材の選び方も先に確認してください。

しゅみすけ(大山俊輔)

英語本は、評判の高さだけで選ぶと難しすぎることがあります。最初の一冊は、今の自分が七割ほど理解できて、例文を声に出したくなる本を選んでください。

「b わたしの英会話」創業者。20年以上、大人の初心者の英語学習を見てきました。

大人の英会話初心者におすすめの英語本5選

1.中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版

向いている人:be動詞と一般動詞の違い、疑問文、過去形など、中学英文法から整理し直したい人。

Gakkenの「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版」は、中学で学ぶ文法項目を一冊で見直せる本です。難しい用語を避けた説明と練習問題が中心なので、学校英語から長く離れていた大人が戻る場所を見つけやすい点が強みです。Gakken公式シリーズページでも現行版を確認できます。

おすすめしないケース:基本文法をすでに理解しており、会話になると口が止まるだけの人。最初から全ページを丁寧にやり直すより、次の瞬間英作文へ進んだほうがよい場合があります。

レッスンとの組み合わせ方:一回の予習で1〜2項目を読み、例文の主語や目的語を自分用に変えます。たとえば She plays tennis. を学んだら、I play tennis on Sundays. のように、自分について話す文を一つ作って持っていきましょう。

2.[音声DL付改訂版]どんどん話すための瞬間英作文トレーニング

向いている人:英文を読めば分かるのに、会話では語順が出てこない人。

森沢洋介さんの「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」は、中学レベルの文型を使い、日本語を見て短い英文を素早く作る練習をする本です。ベレ出版から2026年に音声DL付改訂版が刊行されています。

この本の価値は、難しい表現を増やすことではなく、知っている文型を口から取り出しやすくする点にあります。ただし、日本語から英語へ一語ずつ置き換える癖をつけるのが目的ではありません。短い基本文をすばやく組み立てる土台として使い、最後は自分の話へ変える必要があります。

おすすめしないケース:中学文法の説明を読んでもほとんど理解できない人。先に1冊目のようなやさしい文法書を使うほうが進めやすいでしょう。

レッスンとの組み合わせ方:練習中に3秒以上止まった文を一つ選び、内容を自分用へ変更します。次のレッスンで、その文型を自己紹介や週末の話に一度使ってください。

3.改訂第2版 キクタン Entry 2000語レベル

向いている人:中学レベルの基本語彙に抜けがあり、講師の質問に必要な単語が出てこない人。

アルクの「改訂第2版 キクタン Entry 2000語レベル」は、英語入門からを対象に、単語・フレーズ・例文と音声を使って学べる単語帳です。アルク公式ページでは、英語と日本語の音声を使えることも案内されています。

単語帳は、見出し語と日本語訳を覚えただけでは会話につながりにくいものです。英会話が目的なら、一日に覚える数を増やすより、今週のレッスンテーマに関係する語を選び、短い I の文にしてください。

おすすめしないケース:基本語彙はあるのに、文章を組み立てられない人。単語数をさらに増やすより、文型や瞬間英作文を優先します。

レッスンとの組み合わせ方:家族がテーマなら kindbusylive など使えそうな語を3つ選び、My sister is kind.She lives in Osaka. のように準備します。

4.英会話なるほどフレーズ100

向いている人:長い例文より、短くて応用しやすい受け答えを増やしたい人。

スティーブ・ソレイシィさん、ロビン・ソレイシィさんの「英会話なるほどフレーズ100」は、Go ahead.Take your time.What do you think? など、短くても会話を動かせる基本表現を扱っています。アルク公式ページで収録表現の例を確認できます。

初心者は「きちんとした長い英文を言わなければ」と考えがちですが、実際のレッスンでは、相づち、確認、短い質問が会話を続けます。一冊を暗記するより、今週使う一表現を決める使い方が向いています。

おすすめしないケース:英文法を体系的に整理したい人。この本は文法書の代わりではなく、会話の小さな部品を増やす本として使います。

レッスンとの組み合わせ方:本から一つ選び、レッスンノートの上部へ書きます。講師の話へ Really? だけで返していたなら、次は That sounds nice.What do you think? を試す、という小さな目標にします。

5.Basic Grammar in Use Fifth Edition

向いている人:英語の説明を少し読めて、日本語を介さずに基本英文法を学びたい人。アメリカ英語を中心に学びたい人。

Cambridge University Press & Assessmentの「Basic Grammar in Use Fifth Edition」は、初級者向けの英文法の解説と練習を英語で行う自習書です。Cambridge公式ページでは、American Englishの初級向け教材として案内されています。

見開きで説明と練習を進めやすく、英語を英語のまま読む時間を作れることが利点です。一方、説明も英語なので、完全な初心者が一人で始めると「文法を学ぶ前に説明文で止まる」ことがあります。

おすすめしないケース:英語の説明を読むだけで強い負担を感じる人。日本語のやさしい文法書から始めても遠回りではありません。

レッスンとの組み合わせ方:分からない例文へ印をつけ、講師に Could you explain this example?(この例文を説明してもらえますか)と質問します。独学で止まりやすい部分をレッスンで解決できるのが、教室と併用する利点です。

しゅみすけおすすめ|本を選ぶ前に知ってほしい「会話に必要な学習順」

ここまで紹介した5冊は、それぞれよい教材です。ただし、英語本の一般的なおすすめと、英会話教室で大人の初心者を20年以上見てきた立場からのおすすめは、少し視点が違います。

本の目次を最初から最後まで埋めることよりも、少ない部品を使い回し、自分のことを短い文で話せるようにすることを優先してください。しゅみすけがおすすめする順番は、次の3つです。

1.単語は、難しい語を増やす前に基本動詞を使えるようにする

単語帳を使うこと自体が悪いわけではありません。ただ、英会話初心者が最初に増やしたいのは、難しい名詞や一語でぴったり訳せる動詞だけではありません。

be、have、do、get、make、take、put、go、come、give、know、want、say、tell、talk、ask、work、move、use など、知っている基本動詞を自分の文で使えるようにするほうが先です。

たとえば「洗濯する」の do the laundry が出てこなくても、I wash my clothes. と言えます。「通勤する」の一語が思い出せなくても、I go to work by train. で伝えられます。

基本動詞を会話場面別に確認したい方は、be-rize.comの日常英会話でよく使う基本動詞30選をご覧ください。単語帳の増やし方に迷う方には、英単語帳は何冊も必要?会話に使える一冊の選び方と使い方も参考になります。

2.前置詞は、日本語訳を増やすよりコアイメージから入る

前置詞を「in=〜の中に」「on=〜の上に」「at=〜で」と一対一で覚えると、別の意味が出るたびに暗記項目が増えます。最初は、位置や動きの中心イメージを一つ持ち、例文の中で広げる方法がおすすめです。

  • in:境界の内側
  • on:面への接触
  • at:一点を指す
  • to:到達点を含む方向
  • from:出発点から離れる
  • with:人・物・状態が一緒にある

たとえば to を「〜へ」だけでなく「到達点へ向かう矢印」と捉えると、go to the officegive it to herlisten to music のつながりが見えやすくなります。詳しい仕組みは、be-rize.comのtoのコアイメージと使い方で確認できます。

本を選ぶときも、前置詞の日本語訳を大量に並べた本より、図や場面、短い例文で中心イメージを確認できる本のほうが、英会話にはつなげやすいでしょう。

3.中学英文法は大切。ただし、最初から全部を同じ深さで学ばなくてよい

「英会話には中学英文法が必要」とよく言われます。これは土台としては正しいのですが、教科書に出てくる全単元を、最初から同じ深さで覚え直さなければ会話を始められないわけではありません。

大人の初心者が先に使えるようにしたいのは、次の範囲です。

  1. 主語+動詞の骨格:I work.I like coffee.
  2. be動詞と一般動詞:I am busy.I work on Saturdays.
  3. 否定文と疑問文:I don’t cook much.Do you cook?
  4. 現在・過去・これから:I work.I worked.I’m going to work.
  5. 会話でよく使う助動詞:can、could、will、would、should
  6. 短い文をつなぐ語:and、but、because、if、when

関係代名詞、仮定法、分詞構文なども役立ちますが、最初から説明できるほど覚える必要はありません。自分の仕事、家族、週末、希望を短く話すために必要になったところから追加すれば大丈夫です。

文法書のどこを優先するか迷ったら、be-rize.comの中学英文法一覧|大人が英会話のために学び直す順番と重要単元を目次代わりに使えます。

本は「知識の倉庫」ではなく、次のレッスンで使う部品を探す場所

しゅみすけおすすめの使い方は、本を読んだあとに必ず次の3点を残すことです。

  • 今日覚える基本動詞または前置詞を一つ
  • 自分について話す短い I の文を一つ
  • 次のレッスンで講師へ聞く質問を一つ

たとえば get を学んだ日は、意味をすべて覚えようとせず、I get home around seven.(私は7時ごろ帰宅します)の一文を作ります。次のレッスンで言ってみて、講師から返ってきた質問や自然な言い直しを本の余白へ加えます。

この往復ができれば、市販本の一般的な知識と、あなた自身の英会話レッスンがつながります。本を終えることではなく、本の一文を自分の会話へ移すことをゴールにしてください。

英語本を買う前に確認したい5つのポイント

  1. 目的が一つに絞られているか:「英語を全部」ではなく、「中学文法を戻す」「短い文を口から出す」など、今の課題で選びます。
  2. 見開きの七割ほど理解できるか:難しい本ほど効果が高いわけではありません。少し簡単に感じるくらいが反復しやすいレベルです。
  3. 音声を利用できるか:会話へつなげるなら、目で読むだけでなく、聞いてまねできる構成が役立ちます。
  4. 一回10〜15分で区切れるか:忙しい大人は、毎日一章より、例文3つなど小さく終えられる本のほうが続きます。
  5. 自分の話へ置き換えられるか:旅行、家族、仕事、週末など、レッスンで話したい内容に変えやすい例文を選びます。

教材そのものだけでなく費用や買い替えも気になる方は、英会話教室の教材費と市販教材の違いも参考にしてください。

一冊の英語本をレッスンで使える英語へ変える3ステップ

英語本を読んで声に出しレッスンで使う3段階の学習法
読むだけで終わらせず、声に出し、最後にレッスンで使うところまでを一つの学習にします。

ステップ1|短い範囲を読む

一日で進める量を、見開き1ページや例文3つに絞ります。理解できない箇所は印をつけ、そこで学習全体を止めないようにします。

ステップ2|例文を声に出して自分用へ変える

音声を聞いてまねしたあと、主語、場所、時間、目的語のどれか一つを自分の情報へ替えます。He goes to the gym. なら、I go to the gym after work. のようにします。

ステップ3|次のレッスンで一度使う

講師が自然に質問してくれるとは限らないため、「今日はこの文を使いたい」とノートへ書きます。話題が来なければ、レッスン開始時に I learned this sentence. Can I try it?(この文を覚えました。使ってみてもいいですか)と伝えても構いません。

しゅみすけ(大山俊輔)

本を一周したことより、その中の一文をレッスンで使えたことのほうが、会話では大きな前進です。次回使う一文に付箋を貼り、講師に試してみましょう。

「b わたしの英会話」創業者。20年以上、大人の初心者の英語学習を見てきました。

言葉が出ないときは、本の例文をもっと簡単にしてよい

教材の立派な例文をそのまま再現できなくても大丈夫です。しゅみすけ式では、知っている基本語を使い、まず意味を届けます。

たとえば「最近、運動不足です」に当たる表現が出てこなければ、難しい言い方を探し続けず、次のように分けられます。

  • I don’t exercise much these days.(最近、あまり運動していません)
  • I sit at my desk all day.(一日中、机に座っています)
  • I want to move more.(もっと体を動かしたいです)

一語でぴったり言えなくても、短い文を二つ、三つ重ねれば会話になります。本は正解を暗記するためだけでなく、自分が使える簡単な言い方を見つける材料です。

次のレッスンまでに準備すること

  • 今回選んだ一冊から、使いたい例文を一つ選ぶ
  • 主語を I にして、自分の情報へ書き換える
  • 音声を聞き、3回だけ声に出す
  • 講師へ聞きたい点を一つメモする
  • レッスン中に一度使い、講師の自然な言い直しを記録する

何から学び直すか全体を整理したい方は、大人の英語学び直しロードマップもあわせてご覧ください。

まとめ|おすすめ本より「一冊を会話で使うこと」が大切

大人の英会話初心者に合う英語本は、現在の課題によって変わります。文法を忘れている人、語彙が不足している人、知識はあるのに口から出ない人では、最初に選ぶ一冊は同じではありません。

  • 中学英文法を戻すなら、やさしい日本語解説の文法書
  • 英文を口から出すなら、短い文型を反復する本
  • 語彙が不足しているなら、音声と例文のある入門単語帳
  • 会話を続けたいなら、短く応用しやすいフレーズ集
  • 英語で文法を学べるなら、初級者向けの英語版文法書

次のレッスンまでにすることは、たくさん読破することではありません。一つの例文を自分用に変え、声に出し、講師との会話で一度使ってみることです。その一回を積み重ねることで、本の中の英語が自分の英語へ変わっていきます。

※書籍の版、付属音声、価格、提供形態は変更される場合があります。購入前に各出版社の公式ページで現行仕様をご確認ください。

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