英会話教室で担当の先生が変わった途端、いつもなら言えるはずの言葉が出てこない。会話が続かず、「前より英語が下手になったのでは」と不安になることがあります。
結論から言うと、先生が変わった直後に話せなくなるのは、英語力が急に下がったからとは限りません。新しい声や話す速さ、質問の仕方、相づち、待ってくれる時間にまだ慣れていないため、持っている力を十分に出せていないことが多いからです。まずは1回の出来だけで判断せず、同じ先生のレッスンを可能なら3回ほど受けてみましょう。
この記事では、大人の英会話初心者が「先生によって話せたり、話せなかったりする」と感じる理由と、新しい講師とのレッスンを上達につなげる方法を整理します。
先生が変わると話せないのは珍しいことではない
会話は、自分の英語力だけで成り立つものではありません。相手の声、表情、話題の選び方、質問の長さ、返事を待つ間など、さまざまな条件の影響を受けます。いつもの先生とは、何度も話すうちに「この言い方なら伝わる」「ここで少し待ってくれる」という共通のリズムができています。
新しい先生との初回には、その共通のリズムがまだありません。自己紹介をしながら相手の英語を聞き取り、質問の意図を考え、自分の答えを組み立てる必要があります。初心者にとって処理することが増えるため、単語を思い出す速度が落ちたり、短い返事しかできなくなったりするのは自然です。
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
先生によって英語の出来が違う5つの理由
1.声・発音・話す速さに慣れていない
同じ英語でも、声の高さ、アクセント、音のつながり方は人によって違います。聞き慣れた先生の英語は先を予測しやすい一方、新しい先生の英語は一語ずつ確認しようとして負担が増えます。聞き取りに力を使うぶん、自分が話す余裕が減ることがあります。
2.質問の仕方が違う
「週末はどうでしたか」と短く聞く先生もいれば、理由や感想まで一度に尋ねる先生もいます。自由に答える質問が多い、話題が予想外、質問が長いといった違いだけでも、初心者の答えやすさは変わります。
3.待つ時間と助け方が違う
いつもの先生は、生徒が考えていると分かれば数秒待ってくれるかもしれません。新しい先生は沈黙を心配して、すぐに言葉を補うことがあります。どちらが良い悪いではありませんが、助け方が違うと、自分のペースをつかむまで話しにくく感じます。
4.安心感がまだできていない
間違えても大丈夫と思える相手には、知っている単語を使って思い切って話せます。初対面では「この文法で合っているかな」「幼い英語だと思われないかな」と自分を監視しやすくなります。その緊張が、知っている英語を出にくくします。
5.いつもの先生が自分を理解してくれていた
長く担当している先生は、生徒の仕事、趣味、よく使う単語、苦手な文型を知っています。少し曖昧な説明でも背景から意味を推測できます。新しい先生には、その前提がありません。丁寧に言い直す必要があるため、難しく感じるのです。
1回のレッスンで「英語力が下がった」と決めない
新しい先生との1回目と、何か月も担当してくれた先生とのレッスンを比べるのは、条件がそろった比較ではありません。上達を確認するときは、「何分話せたか」だけでなく、次の小さな行動を見てください。
- 聞き取れないときに聞き返せた
- 短くても自分から質問を一つできた
- 知らない話題に知っている単語で答えた
- 言い直しながら最後まで伝えた
- レッスン後に困った場面を説明できた
初めての相手に対して、これらが一つでもできたなら、実践で使える力は育っています。単に調子が悪かった可能性もあるため、広い原因を確認したい場合は、英会話が前より話せなくなったと感じる原因も参考にしてください。

新しい先生との3回をこう使う
1回目:慣れることを目標にする
初回の目標は、上手に話すことではありません。先生の声、スピード、レッスンの進み方を知る回と考えましょう。自己紹介や最近の出来事など、話し慣れたテーマを一つ準備しておくと、会話の土台を作れます。
2回目:希望を一つ伝える
話す速度が速ければ「少しゆっくり話してほしい」、考える時間が必要なら「答えるまで少し待ってほしい」と伝えます。一度に多くの希望を出す必要はありません。困りごとの中から一つ選ぶだけで、レッスンは合わせやすくなります。
3回目:話しやすさと学びやすさを分けて見る
話しやすい先生が必ずしも最も学べる先生とは限りません。安心して発言できるか、必要な訂正があるか、質問が自分の発話を広げてくれるか、希望を反映してくれるかを確認します。少し緊張しても「次も試せそう」と思えるなら、慣れによって改善する余地があります。
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
レッスン前に準備したい「引き継ぎメモ」
講師が変わるたびに最初から説明する負担を減らすには、短い引き継ぎメモが役立ちます。日本語で構いません。教室側で共有できるか、カウンセラーやスタッフに相談してみましょう。
- 英会話を学ぶ目的
- 現在使っている教材と進んだ範囲
- 最近できるようになったこと
- 苦手な場面や話題
- 訂正してほしいタイミング
- 話す速度や待ち時間の希望
担当講師の退職や休職で継続的な変更が必要な場合は、担当講師が退職・休職したときの学習の引き継ぎ方で、教室に確認する項目を詳しく紹介しています。
3回受けても話しにくいときの判断
希望を伝えて複数回受けても、質問を理解できないほど速い、発言を待ってもらえない、訂正が多すぎて話が止まる、緊張が強くなるといった状態が続くなら、我慢だけで解決しようとしなくて大丈夫です。講師本人または教室のスタッフに相談し、進め方の調整や担当変更を検討しましょう。
相談するときは「先生が苦手です」だけでなく、「質問のあと5秒ほど考える時間がほしい」「会話中の訂正は二つまでにしてほしい」のように、困る場面と希望を具体的に伝えると調整しやすくなります。相性を確認する視点は、英会話講師と相性が合わないときの変更・相談ポイントも参考になります。
複数の先生と話す経験は上達の確認にもなる
いつもの先生と話せることも大切な成果です。そのうえで、違う先生にも少しずつ通じるようになると、「相手が変わっても使える英語」に近づいています。実際の旅行や仕事では、相手の声や話し方を選べません。代講や講師変更は不安な出来事ですが、実践への橋渡しにもなります。
ただし、毎回違う先生にして無理に負荷を上げる必要はありません。初心者のうちは、安心して話せる担当講師を軸にしながら、ときどき別の先生と話す方法でも十分です。安定して練習する時間と、新しい相手を試す時間の両方を持つことができます。
まとめ:先生が変わった直後の出来は、実力の通知表ではない
先生が変わると話せなくなるのは、英語力の低下ではなく、新しい声、質問、間の取り方、安心感にまだ慣れていないためかもしれません。初回だけで結論を出さず、1回目は慣れる、2回目は希望を伝える、3回目は話しやすさと学びやすさを確認する、という順番で見てみましょう。
新しい相手に聞き返す、言い直す、短くても答えることができたなら、それも立派な上達です。困りごとは具体的に教室へ相談し、自分が安心して挑戦できるレッスン環境を整えてください。
成果の確認方法を全体から見直したい方は、英会話教室で上達するための初心者向け完全ガイドもあわせてご覧ください。
講師選び・相性・レッスン調整の悩みをまとめて確認する方は、英会話講師との相性・レッスン調整ガイドをご覧ください。




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