英会話教室へ通い始めたのに、家では単語帳や文法書ばかり。教材は増える一方で、レッスンでは言葉が出てこない——大人の初心者には珍しくない悩みです。
英語の勉強法には、それぞれ得意な目的があります。試験の点数を上げる方法と、英会話教室で自分のことを話せるようになる方法は、必ずしも同じではありません。
この記事では、英会話教室を20年以上運営し、大人の初心者を見てきた立場から、「会話が目的なら、そのまま続けることはおすすめしない勉強法」を6つ紹介します。どれも全面的に否定するのではなく、英会話レッスンへつなげる改善方法まで解説します。
結論|おすすめしないのは「知識を増やすだけで使わない勉強法」
英会話初心者におすすめしないのは、次の6つです。
- 単語と文法を終えてから話そうとする
- 単語を日本語訳だけで大量暗記する
- 英語を聞き流すだけで終える
- 教材やアプリを次々に増やす
- 英会話レッスンを講師任せにする
- 毎回すべてを完璧に復習しようとする
共通する問題は、勉強していないことではありません。知識を入れる時間に比べて、自分で英語を使う時間が少ないことです。
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
1.単語と文法を終えてから話そうとする
「中学英文法を全部復習し、単語を何千語も覚えたら英会話を始める」という順番は、一見効率的に見えます。しかし、学習範囲には終わりがなく、いつまでも会話練習を始められないことがあります。
英会話教室ではこう変える
一つ学んだら、その日のレッスンで一度使います。例えば過去形を学んだなら、難しい問題を何十問も解く前に、次の3文を話してみましょう。
- I worked yesterday.
昨日は仕事をしました。 - I cooked dinner.
夕食を作りました。 - I watched a movie.
映画を見ました。
文法をどこまで学べばよいかは、英語を学び直すなら文法はどこまで必要?で詳しく整理しています。
2.単語を日本語訳だけで大量暗記する
英単語と日本語訳を一対一で覚えるだけでは、レッスンで文を作るときに使えないことがあります。特に難しい単語へ進みすぎると、すでに知っている基本語が口から出ないままです。
英会話教室ではこう変える
覚えたい単語を、必ず自分のIの文にします。
busy = 忙しいだけで終えず、I’m busy this week.(今週は忙しいです)と声に出します。さらにbecauseを足して、I’m busy this week because we have a big project.(大きなプロジェクトがあるので今週は忙しいです)まで言えれば、レッスンの話題になります。
難語より基本語を優先する考え方は、英会話教室では難しい英単語を覚えなくても大丈夫?も参考にしてください。
3.英語を聞き流すだけで終える
英語の音に触れること自体は無駄ではありません。ただし、意味がほとんど分からない音声を流し続けるだけで、自然に話せるようになるとは限りません。
英会話教室ではこう変える
30分の聞き流しを、理解できる一文の練習へ変えます。
- 短い音声を一度聞く
- 文字と意味を確認する
- 音声のあとに声を重ねる
- 主語や内容を自分に置き換える
- 次のレッスンで一度使う
例えばI usually cook at home.を聞いたら、I usually eat out on Fridays.(金曜日はたいてい外食します)のように自分の生活へ変えます。
4.教材やアプリを次々に増やす
新しい教材を買うと、勉強が進んだような気持ちになります。しかし、文法書、単語帳、動画、アプリを同時に進めると、何をレッスンで使うのか分からなくなります。
英会話教室ではこう変える
まず1か月は、次の三つに絞ります。
- 英会話教室の教材
- レッスン用ノート1冊
- 短い音声教材またはアプリ1つ
選ぶ基準は「情報量」ではなく、次のレッスンで一文使えるかです。教室の予習教材については、英会話教室の予習におすすめの教材でも解説しています。
5.英会話レッスンを講師任せにする
教室へ行けば講師が上手に話題を振ってくれます。ただ、毎回すべてを講師に任せると、質問に答えるだけになり、自分から話したい内容を伝える練習が不足します。
英会話教室ではこう変える
レッスン前に、話題を一つと質問を一つだけ用意します。
- 話題:I went to Kyoto last weekend.
先週末、京都へ行きました。 - 講師への質問:Have you ever been to Kyoto?
京都へ行ったことはありますか?
最初の5分だけでも自分で話題を持ち込めれば、レッスンは「用意された英語を受け取る時間」から「自分の英語を試す時間」へ変わります。
6.毎回すべてを完璧に復習しようとする
ノートを清書し、知らない単語を全部調べ、例文を何十個も作る。理想的に見えますが、忙しい大人には続きにくく、復習そのものが負担になります。
英会話教室ではこう変える
レッスン後に残すものを、次の三つへ絞ります。
- 講師に直された一文
- 次回もう一度使いたい表現
- まだ伝え切れなかった内容
特に大切なのは、訂正文を次回のレッスンで使うことです。I enjoyed to talk with people.をI enjoyed talking with people.へ直してもらったら、次回、自分からその文を言ってみます。
復習の基本は英会話レッスンの復習は何をすればいい?で確認できます。
6つの勉強法を「レッスンで使える行動」へ変える

| おすすめしない進め方 | レッスンにつながる行動 |
|---|---|
| 文法を終えてから話す | 習った型で一文話してから直す |
| 日本語訳だけ暗記する | Iの文を一つ作る |
| 聞き流すだけ | 一文を理解して声に出す |
| 教材を増やす | 1か月は教材を絞る |
| 講師任せにする | 話題と逆質問を一つずつ準備する |
| 全部復習する | 訂正文を一つ次回使う |
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
これらの勉強法が役立つ場合もある
ここまで紹介した方法にも、目的によっては役割があります。
- 資格試験なら、語彙の大量暗記や文法問題演習が必要になる
- 多読・読解が目的なら、難しい単語を理解することが役立つ
- 英語の環境に慣れる補助として、聞き流しが使えることもある
- 複数教材を比較して、自分に合うものを探す期間も必要になる
大切なのは、勉強法の良し悪しを一律に決めることではありません。「英会話教室で話せるようになりたい」という自分の目的に合っているかを確認することです。
次のレッスンまでに一つだけ変えるなら
まず、前回講師に直された英文を一つ選びましょう。その文を声に出し、自分の内容へ置き換え、次のレッスンの最初に使います。
前回の英語を次回もう一度使うだけなら、新しい教材も長い勉強時間も必要ありません。英会話教室へ通っているからこそ、学んだことを実際の相手に試せます。
まとめ|勉強した量より、レッスンで使った回数を増やそう
大人初心者におすすめしないのは、知識を増やすだけで、英語を使う場面がない勉強法です。
文法も単語もリスニングも必要ですが、すべてを完成させてから話す必要はありません。短く話し、講師に直してもらい、次回もう一度使う。この循環を作ると、英会話教室のレッスンが上達につながりやすくなります。
次のレッスンでは、前回の訂正文を一つだけ使ってみてください。間違えても、その場でまた直せば大丈夫です。



