50代・60代になって英語を学び直そうとすると、「中学英語を最初から全部やり直さなければ」「若いころより覚えられないから、もっと長く勉強しなければ」と考えることがあります。
しかし、英会話教室で自分のことを話せるようになるのが目的なら、学生時代と同じ勉強をすべて繰り返す必要はありません。
英会話教室を20年以上運営し、多くの大人初心者を見てきた立場から言えば、50代以降には50代以降の強みがあります。仕事、家族、趣味、旅行、住んできた街など、会話の材料になる経験をすでにたくさん持っていることです。
この記事では、50代以降の英語学習でやらなくてよいことを7つ挙げ、その代わりに英会話教室で何をすればよいかを紹介します。
結論|50代以降は「全部覚える」より「自分が話す英語」に絞る
やらなくてよいことは、次の7つです。
- 学校英語を全範囲やり直す
- 難しい英単語を大量に覚える
- ネイティブのような発音を目指す
- 毎日長時間勉強することにこだわる
- 若い学習者と速さを比べる
- 間違いや分からないことを隠す
- 準備が整うまで英会話教室へ行かない
必要なのは、学習量をゼロにすることではありません。目的と生活に合わせて、覚える範囲を減らし、実際に使う回数を増やすことです。
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
1.学校英語を全範囲やり直さなくてよい
英語を再開すると、学生時代の教科書や問題集を最初から最後まで終えたくなるかもしれません。基礎の復習は役立ちますが、会話にすぐ必要でない範囲まで完璧にする必要はありません。
代わりにすること
英会話レッスンでよく使う内容から復習します。
- 現在形:普段の生活を話す
- 過去形:昨日や週末について話す
- 未来表現:予定を話す
- 疑問文:講師へ質問する
- can / want to / have to:できること、希望、必要を話す
どこまで復習するか迷ったときは、英語を学び直すなら文法はどこまで必要?も参考になります。
2.難しい英単語を大量に覚えなくてよい
単語帳の後半にある難語を知っていても、レッスンでget / make / take / go / haveなどの基本語が使えなければ、自分のことを話しにくいままです。
代わりにすること
自分が実際に話すテーマの言葉を優先します。旅行が好きなら、場所、交通、食事、感想に関する語。仕事について話したいなら、自分の職種や一日の流れに必要な語です。
難しい一語が出なければ、基本語で説明して構いません。
It is a place where you can see old Japanese houses.
古い日本家屋を見ることができる場所です。
この考え方は英会話教室では難しい英単語を覚えなくても大丈夫?で詳しく解説しています。
3.ネイティブのような発音を目指さなくてよい
発音練習は大切ですが、アクセントを完全になくし、特定の国のネイティブと同じ音を目指す必要はありません。そこへこだわりすぎると、一文を話す前に自信を失ってしまいます。
代わりにすること
相手が理解しやすい発音を目指します。
- 聞き取りにくい音を講師に一つ確認する
- 単語だけでなく短い文で練習する
- 強く読む語とリズムをまねる
- 通じなければ言い直す
レッスンでは、Could you correct my pronunciation?(発音を直していただけますか?)と頼めます。発音は話さない理由ではなく、話しながら調整していくものです。
4.毎日長時間勉強することにこだわらなくてよい
仕事、家事、家族の予定がある中で、毎日1時間や2時間を確保できないこともあります。長時間できない日を失敗と考えると、学習そのものをやめやすくなります。
代わりにすること
5分から10分の短い練習を、生活の中へ入れます。
- 朝:前回の訂正文を一回読む
- 移動中:短い音声を一つ聞く
- 夕方:今日したことを一文作る
- レッスン前:話題と質問を一つ確認する
30分を一度だけ行うより、短くても英語を思い出す日を増やす方が続けやすい場合があります。
5.若い学習者と速さを比べなくてよい
SNSや動画で若い人の流暢な英語を見ると、「自分は覚えるのが遅い」と感じることがあります。しかし、目的、学習時間、これまでの経験は一人ずつ違います。
代わりにすること
先月の自分と比べます。
- 以前より一文長く答えられた
- 聞き取れないと伝えられた
- 自分から講師へ質問できた
- 前回習った表現をもう一度使えた
英会話では、語彙テストの点だけでなく、レッスン中の行動も成長です。
6.間違いや分からないことを隠さなくてよい
大人になるほど、知らないことや間違いを人に見せにくくなるものです。しかし、英会話教室では、間違いが講師に見えなければ直してもらえません。
代わりにすること
助けを求める短い英語を用意します。
- I’m not sure.
よく分かりません。 - Could you say that again?
もう一度言っていただけますか? - Is this sentence correct?
この文は合っていますか? - How can I say this in English?
これは英語でどう言えばよいですか?
分からないと言えた時点で、すでに相手との英語のやり取りが成立しています。
7.準備が整うまで英会話教室へ行くのを待たなくてよい
「もう少し単語を覚えてから」「文法書を一冊終えてから」と待っていると、実際に話す練習を始める時期が遠ざかります。
代わりにすること
レッスンの中で、必要な英語を見つけます。
例えば、講師からWhat did you do last weekend?と聞かれ、言えなかった内容をメモします。その一文を講師と一緒に作り、次回もう一度使います。
教室は完成した英語を披露する場所ではありません。話して、困って、教わって、もう一度使う場所です。
50代以降に手放したい7つの負担

| やらなくてよいこと | 代わりに行うこと |
|---|---|
| 学校英語を全部やり直す | 会話で必要な文法から学ぶ |
| 難語を大量暗記する | 自分が使う基本語を文で覚える |
| 発音を完璧にする | 相手に伝わる音とリズムを練習する |
| 毎日長時間勉強する | 5〜10分の接触を増やす |
| 若い人と比較する | 先月の自分と比較する |
| 間違いを隠す | 講師へ質問して直してもらう |
| 準備が整うまで待つ | レッスンで必要な英語を見つける |
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
50代以降だからこそ英会話教室で話せること
50代以降の方には、レッスンの話題にできる経験があります。
- これまでの仕事や転職
- 子育てや家族との出来事
- 住んできた街や旅行
- 長く続けている趣味
- 好きな映画、音楽、本
- これから挑戦したいこと
特別な英単語を知らなくても、短い文を重ねれば伝えられます。
I worked in the same company for 25 years. I met many people there. I learned a lot from them.
同じ会社で25年間働きました。そこで多くの人に出会いました。その人たちから多くを学びました。
50代の具体的な始め方は、50代の英語学び直しは何から?でも紹介しています。また、年齢への不安を感じる方は、しゅみすけの動画を紹介した50歳から英語を始めても遅くないもご覧ください。
次のレッスンで一つだけ試すこと
次回は、学生時代の問題集を何ページも進める代わりに、「最近あったこと」を一つ選んで3文にしてみましょう。
- I went to…
- I saw…
- I enjoyed…
分からない単語は空欄でも構いません。講師に簡単な英語で説明し、必要な表現を教えてもらえば、そのレッスンが自分専用の教材になります。
まとめ|やらないことを決めて、話す英語を増やそう
50代以降の英語学習では、学校英語の全範囲、難しい単語、完璧な発音、長時間学習、若い人との比較を抱え込む必要はありません。
自分が話したいテーマに必要な英語を選び、短く話し、講師に直してもらい、次回また使う。この繰り返しが英会話教室を上手に活用する方法です。
まず次のレッスンで、自分の経験を一つだけ英語にしてみてください。間違えても大丈夫です。そこから学ぶ内容が見つかります。



