英会話教室のレベル表や教材で「CEFR A1」「A2相当」という表示を見て、「これは何点?」「初級とどう違うの?」と思ったことはありませんか。
CEFR(セファール)は、英語だけの試験名ではなく、外国語を使って何ができるかを共通の目安で表す枠組みです。A1からC2までありますが、大人の英会話初心者がまず目標にしやすいのはA1・A2、その先の身近な目安がB1です。
ただし、教室独自の「初級」「レベル2」とCEFRが必ず一対一で対応するわけではありません。レベル名を比べるためではなく、レッスンでできるようになりたい行動を具体化するために使うのが実用的です。
CEFRとは?A1からC2までの6段階
CEFRはCommon European Framework of Reference for Languagesの略で、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼ばれます。欧州評議会が示す共通参照レベルは、A1・A2・B1・B2・C1・C2の6段階です。
- A1・A2:基礎段階の言語使用者
- B1・B2:自立した言語使用者
- C1・C2:熟達した言語使用者
CEFRの特徴は、単語数や文法項目だけではなく、「自己紹介できる」「身近な用件をやり取りできる」「理由を短く説明できる」といったCan-do(できること)で表す点です。公式の概要は欧州評議会のCEFR共通参照レベルで確認できます。
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
英会話初心者が知りたいA1・A2・B1の目安
| レベル | 会話の大まかな目安 | 英会話教室での目標例 |
|---|---|---|
| A1 | 相手がゆっくり助けてくれれば、基本的な表現で簡単にやり取りできる | 挨拶、自己紹介、住んでいる場所、好きなものについて答える |
| A2 | 身近で日常的な話題について、簡単で直接的な情報交換ができる | 買い物、仕事、家族、予定、旅行などについて短くやり取りする |
| B1 | 身近な話題の要点を理解し、経験や希望、計画をつながりのある簡単な文で説明できる | 出来事を順番に話し、意見や計画へ短い理由を加える |
これは厳密な判定表ではなく、公式の全体尺度を英会話レッスンの場面へ置き換えた目安です。同じ人でも、読む力はA2に近く、話す力はA1に近いというように技能ごとの差があります。

A1は「全く話せない」という意味ではない
A1は最初の正式な共通参照レベルですが、ゼロを意味しません。相手がゆっくり明確に話し、必要に応じて助けてくれる条件なら、日常的な基本表現を理解し、自分や身近な人について簡単な質問と答えができる段階です。
英会話教室では、次のようなCan-do目標にできます。
- 名前、住んでいる場所、仕事を短く言える
- 好きな食べ物や趣味を一文で答えられる
- 相手の名前や出身地を尋ねられる
- 分からないときに、もう一度頼める
- 店や教室でごく基本的な希望を伝えられる
文法の間違いが残っていても、支援を受けながら簡単なやり取りが成立することが大切です。
A2になると身近な用件のやり取りが広がる
A2では、個人情報、家族、買い物、地域、仕事など、身近な領域でよく使われる表現を理解し、簡単で日常的な用件について直接的な情報交換を行うことが目安になります。
- 普段の一日や週末について数文で話せる
- 店で希望や数量を伝え、簡単な質問ができる
- 旅行で場所や時間を確認できる
- 仕事の内容を簡単に説明できる
- 過去の出来事を短く伝えられる
A1からA2へ進むときは、難しい単語を急に増やすより、一文の返答へ時間・場所・理由などを加え、やり取りを往復させる練習が役立ちます。
B1では経験や意見を「つなげて説明する」
B1では、仕事、学校、余暇など身近な話題の要点を理解し、旅行中に起こりやすい多くの状況へ対応し、経験・出来事・希望・計画などを簡単につながった文で説明することが目安です。
初心者にとってB1は遠いゴールに見えるかもしれませんが、A2でできる短いやり取りへ、順序、理由、具体例を少しずつ足した延長線上にあります。最初から長い意見を話そうとせず、今のCan-doを一つ広げていきましょう。
CEFRと英会話教室の独自レベルは同じではない
英会話教室では、「入門・初級・中級」や数字、独自の教材名でレベルを表すことがあります。その名称がCEFRのA1・A2などと対応すると案内されていても、次の点は確認が必要です。
- 総合レベルか、スピーキングだけの目安か
- 試験結果か、講師との会話観察による判定か
- どのCan-doを満たすと次へ進むのか
- 教材の難度と会話力のどちらを重視するのか
- 定期的に判定を見直す機会があるか
教室間で同じ名称を機械的に比較するより、そのレベルで何を話せるようにするのかを尋ねるほうが確実です。入会時の仕組みは英会話教室のレベル分けとは?で詳しく解説しています。
CEFRを英会話レッスンの目標に変える3ステップ
1.自分が使いたい場面を一つ選ぶ
旅行、仕事、日常の雑談など、英語を使いたい場面を決めます。「A2になる」だけでは、レッスン内容を選びにくいからです。
2.場面をCan-doの一文にする
「ホテルで希望を二文で伝えられる」「週末の出来事を三文で話せる」「分からない部分を聞き返せる」のように、できる行動へ変えます。
3.数回のレッスンで同じ条件を確認する
一度できただけで判定せず、少し話題が変わっても同じ力を使えるか確認します。できた回数と講師の助けがどの程度必要だったかを記録すると、進歩が見えやすくなります。
しゅみすけ<br>(大山俊輔)
講師へCEFRについて確認する短い英語
- What is my CEFR level?
私のCEFRレベルは何ですか? - What can I do at this level?
このレベルでは何ができますか? - Is this my speaking level?
これは私のスピーキングのレベルですか? - What do I need for the next level?
次のレベルには何が必要ですか? - Can we set a can-do goal?
できることを目標にできますか?
判定だけでなく、具体例と次の課題まで聞きましょう。進捗の尋ね方は英会話講師に上達度を聞く方法、次の段階へ進む判断は英会話教室のレベルアップはいつ?につながります。
CEFR・TOEIC・教室レベルの使い分け
| 物差し | 主な使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| CEFR | 言語を使ってできることを共通尺度で見る | 技能ごとにレベル差があり得る |
| TOEIC L&R | 聞く・読む力をスコアで確認する | 会話でのやり取りを直接測るものではない |
| 教室独自レベル | 教材やレッスンの開始位置を決める | 他教室と同じ名称でも内容が同じとは限らない |
どれか一つが正しく、ほかが不要なのではありません。目的に合わせて併用し、会話力については実際のレッスンで確認します。TOEICとの違いはTOEICスコアと英会話力は同じ?も参考にしてください。
まとめ|CEFRはレベル名よりCan-doを見る
CEFRは、外国語で何ができるかをA1からC2の共通参照レベルで示す枠組みです。大人初心者は、まずA1の基本的な自己紹介や簡単なやり取り、A2の身近な用件の情報交換、その先のB1で短い説明へ広げる流れを目安にできます。
ただし、英会話教室の独自レベルとCEFRは必ずしも一対一ではありません。「何レベルか」だけでなく、「どの場面で何ができるか」「次は何をできるようにするか」を講師と確認し、レッスンの目標へ変えて使いましょう。



