「発音が変だと思われそうで、声が小さくなる」「知っている単語なのに、通じなかったら恥ずかしい」。英語を話したい気持ちはあるのに、発音への不安から最初の一言を止めてしまう人は少なくありません。
けれども、英会話の目的は、ネイティブのように聞こえることではなく、相手と意味をやり取りすることです。発音は大切ですが、発音が完成してからでなければ会話を始められないわけではありません。
この記事では、英語の発音に自信がなくて話せない大人初心者へ、「きれいな発音」と「通じる発音」を分けて考え、通じなかったときにも会話を続ける方法を紹介します。
発音に自信がないと、なぜ話せなくなるのか
自分の英語を、話しながら採点してしまう
話す内容を考えながら、「今のRは日本語っぽかった」「この母音で合っているかな」と自分の音まで細かく確認すると、会話に使える注意が減ります。発音を直そうとするほど、文の途中で止まりやすくなることもあります。
一度聞き返された経験を、発音の失敗だと決めつける
相手の“Sorry?”を聞くと、「やっぱり自分の発音は通じない」と感じるかもしれません。しかし、聞き返しの原因は発音だけではありません。声量、周囲の音、文脈、単語の選び方、相手が聞く準備をしていなかったこともあります。
上手な人や教材の音声と比べてしまう
教材の音声は、録音環境が整い、話す内容も決まっています。学習中の自分の会話と同じ条件ではありません。比較するなら「ネイティブらしいか」より、前回より伝わりやすくなったかを見ましょう。
間違い全般への不安が強い場合は、英語を間違えるのが怖くて話せない人向けの練習法も参考になります。
「きれいな発音」と「通じる発音」は分けて考える
きれいな発音には、母音や子音の細かな位置、音のつながり、リズムなど、多くの要素があります。一方、会話の最初の目標は、相手が必要な情報を受け取れることです。
通じやすさは、一つひとつの音だけで決まりません。次の要素も大きく関係します。
- 相手に届く声量で話す
- 大切な単語を少し強く、長めに言う
- 意味のまとまりで短く区切る
- 相手が分からないときに言い直す
- 文脈や具体例を添える
発音の目標を「一度で完璧に聞き取ってもらう」から、「必要なら言い直して、最後に伝わる」へ変えると、話し始めるハードルが下がります。
通じる英会話の考え方
まず優先したい、伝わりやすくする4つのポイント
1.声を小さくしすぎない
発音を隠そうとして声が小さくなると、正しい音でも聞き取りにくくなります。大声は必要ありませんが、語尾まで相手へ届けるつもりで話しましょう。録音すると、自分が思っているより語尾が消えていることに気づく場合があります。
2.伝えたい単語を一つ決める
文のすべてを同じ強さで発音するより、意味の中心になる単語を少しはっきり言うほうが伝わりやすくなります。たとえば“I need a TRAIN ticket for TOMORROW.”なら、trainとtomorrowが拾われれば用件を推測してもらえます。
3.一文を短くし、意味で区切る
長い英文を一息で言おうとすると、後半ほど声が小さくなり、音も不明瞭になりがちです。“I have a reservation. / It’s under Oyama.”のように、短い文へ分けましょう。短く区切ることは、初心者らしさではなく、伝達を助ける工夫です。
4.固有名詞・数字・似た音を丁寧に扱う
人名、地名、時刻、金額などは、少しの聞き違いで用件が変わります。必要ならゆっくり繰り返す、つづりを伝える、数字を別の言い方で確認するなど、重要な情報だけ丁寧に扱いましょう。
通じなかったときは、発音を何度も繰り返すだけにしない
同じ単語を同じ言い方で繰り返しても通じないと、焦りが強くなります。そんなときは、音を直す以外のルートへ切り替えます。
ゆっくり言い直す
“Let me say that again.”と一言置き、文を短くして言い直します。全部を極端にゆっくり話すのではなく、大切な単語の前後に少し間を作ると伝わりやすくなります。
別の簡単な言葉へ置き換える
単語が通じなければ、知っている別の言葉で説明します。たとえば“receipt”が通じにくければ、“the paper after I pay”のように言い換えられます。正確な定義でなくても、状況が伝われば会話は進みます。
具体例や指示を足す
“For example …”から例を出す、場所や物を指す、数字を書くなど、音声以外の手がかりも使えます。英会話は発音試験ではなく、意味を共有する共同作業です。
どの単語が分からなかったか確認する
“Which word was unclear?”と聞けば、文全体が悪かったのか、一つの単語だけだったのかを分けられます。直す範囲が明確になるので、「自分の英語は全部通じない」という思い込みも避けやすくなります。
発音への不安を減らす練習の順番
ステップ1.使う場面と短い一文を決める
まずは、自己紹介、注文、道案内など、実際に使いたい場面を一つ選びます。練習する文も一度に増やさず、短い一文を3〜5個に絞りましょう。
ステップ2.自分の音を録音する
録音は、上手さを採点するためではありません。声量、語尾、区切り、強調したい単語が聞こえるかを確認します。直す点は一度に一つだけ選びます。
ステップ3.講師へ「何と聞こえたか」を確認する
“Was that clear?”だけでは、講師が気を遣ってYesと答えることがあります。単語や短い文を言った後に、「何と聞こえたか」「どの音が分かりにくかったか」を具体的に確認しましょう。
ステップ4.同じ内容を会話の中で使う
単語だけでは通じても、会話では声量やリズムが変わります。最後は質問への回答やロールプレイの中で使い、通じなければ言い直すところまで練習します。
ステップ5.通じた経験を記録する
人は通じなかった一回を強く覚えがちです。「最初の一文で通じた」「言い直したら伝わった」「数字はつづりで確認できた」など、通じた経路も記録しましょう。
発音に自信がない人が避けたい3つのこと
発音が完成するまで会話を後回しにする
発音は、実際に話して相手の反応を受けることで調整できます。独学だけで完成を待つより、短い表現から会話で試すほうが、自分に必要な修正点が分かります。
一度にすべての音を直そうとする
R、L、TH、母音、リズムを同時に意識すると、文が出にくくなります。その日の課題を一つに絞り、それ以外は意味を伝えることへ集中しましょう。
自分のアクセントを欠点だと決めつける
英語は、さまざまな母語を持つ人に使われています。日本語の影響が少し聞こえることと、意味が通じないことは同じではありません。必要な違いを直しながら、自分の声で話して構いません。
発音への視線が気になって人前で話せない場合は、英会話で人前になると緊張して話せないときの対処法もあわせて確認してみてください。
英会話教室では「正しい音」だけでなく「通じ方」を見てもらう
講師には、発音を直してもらうだけでなく、実際の会話相手として次の点を確認してもらいましょう。
- どの単語が別の単語に聞こえたか
- 声量や語尾は十分だったか
- どこを強く言うと意味が伝わりやすいか
- 長すぎる文をどこで分けるか
- 通じなかったときに、どう言い換えるか
講師の英語が聞き取れず返事に困るときは、英会話レッスンで講師の英語が聞き取れないときの対処法も役立ちます。
まとめ|通じるかどうかは、一つの音だけでは決まらない
発音に自信がないと、自分の英語を話しながら採点し、声が小さくなったり、最初の一言を止めたりしやすくなります。しかし、通じやすさは音の正確さだけでなく、声量、強調、区切り、文脈、言い直しによっても変わります。
まずは使う場面を一つ選び、短い一文で試しましょう。伝えたい単語を少しはっきり言い、通じなければゆっくり言い直す、別の言葉で説明する、具体例を足す。そこまでできれば、会話は失敗ではありません。
発音への自信は、「一度も聞き返されなかった」経験だけで育つものではありません。聞き返されても別の方法で伝えられた経験を重ねることで、自分の声で話せる範囲が少しずつ広がっていきます。
ほかの受講生と比べて落ち込み、話しにくくなる場合は、英会話初心者が周りと比べて落ち込むときに確認したいことで、自分の成長を測る基準を整理しています。
恥ずかしさ・間違い・人前の緊張・発音・周りとの比較など、英会話初心者が話せなくなる不安をまとめて整理したい方は、英会話初心者が恥ずかしくて話せないときの悩み別ガイドをご覧ください。
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