「英会話を始めたいけれど、まず単語を覚えるべき?それとも文法から勉強し直すべき?」
英語から長く離れていた大人の初心者にとって、よくある迷いです。単語を知らなければ何も言えない気がする一方で、文法が分からなければ文を作れない。どちらも必要に見えるため、最初の一歩が決められなくなります。
結論からお伝えすると、英会話初心者は、単語か文法のどちらか一方を先に終わらせる必要はありません。最初に覚えたいのは、簡単な文の型と、その型へ入れる自分に必要な単語です。
たとえば “I like …” という短い型を覚えたら、music、traveling、coffeeなど、自分が本当に使う単語を入れて声に出します。文法は単語を並べるための骨格、単語は伝えたい内容を入れる部品です。最初から一緒に使うことで、知識が会話につながります。
この記事では、大人の英会話初心者が単語と文法をどの順番で学べばよいか、最初に覚えたい範囲、挫折しにくい4週間の進め方をご紹介します。
英会話初心者は単語と文法のどちらから?答えは「短い文と一緒に」
単語だけでも、ある程度の意味は伝わります。海外旅行で “Water, please.” と言えば、水が欲しいことは分かってもらえるでしょう。しかし、話したい内容が増えると、単語を並べるだけでは関係が伝わりにくくなります。
反対に、文法の仕組みだけ知っていても、その中へ入れる単語がなければ自分のことを話せません。
- 文法だけ:I like … という型は分かるが、何を言うか出てこない
- 単語だけ:music、movie、travelを知っているが、どう文にするか分からない
- 一緒に学ぶ:I like music. / I like movies. / I like traveling.
このように、最初から短い文で覚えると、文法と単語の役割を同時につかめます。難しい説明を暗記するより、「この型なら自分の話ができる」という経験を増やしましょう。
文法は「正しい英語を採点するルール」ではなく、文の骨格
学校英語の記憶から、文法に苦手意識がある方もいます。品詞や文型の名前、例外、穴埋め問題を思い出し、「また全部覚え直すのは大変」と感じるかもしれません。
しかし、英会話のための文法は、間違いを探すためだけのルールではありません。誰が、どのような状態で、何をするのかを相手へ分かりやすく渡すための骨格です。
- I am busy.(私は忙しいです)
- I work in Tokyo.(東京で働いています)
- I went to Yokohama.(横浜へ行きました)
- I want to travel abroad.(海外旅行をしたいです)
主語や動詞という用語を完璧に説明できなくても、この短い骨格を使えれば会話は始まります。
大人の学び直しで最初に必要な中学英語の範囲は、関連記事大人の英語学び直しは中学英語からで大丈夫?英会話に必要な範囲でも詳しく解説しています。
単語は「たくさん覚える」より「自分が使うものを選ぶ」
英単語帳を最初のページから始めると、仕事、政治、科学など、今すぐ使う予定のない言葉も並んでいます。もちろん語彙は多いほど理解できる範囲が広がりますが、初心者が最初から何千語も覚える必要はありません。
まずは、自分について話すための単語を集めましょう。
- 自分の基本情報:live、work、family、hometown
- 好きなこと:music、movies、cooking、traveling
- 日常の動作:go、eat、buy、watch、read、meet
- 気持ちや状態:happy、tired、busy、excited
- 使いたい場面:hotel、restaurant、meeting、airport
最初は20〜30語でも構いません。それぞれを単独で暗記せず、短い文に入れてみます。
- I live in Setagaya.
- I like cooking.
- I watched a movie yesterday.
- I am tired today.
単語が自分の経験と結びつくと、単語帳の順番で覚えるより思い出しやすくなります。
初心者が最初に覚えたい5つの文の型
1.I am …|状態や立場を伝える
- I am busy today.
- I am from Osaka.
- I am interested in art.
今の気持ち、出身、興味などを話せます。amの後ろへ、形容詞や場所を表すまとまりを入れてみましょう。
2.I like …|好きなものを伝える
- I like jazz.
- I like traveling.
- I like this café.
好きなものは初心者でも話しやすく、相手から質問も生まれやすいテーマです。まず5つ、自分の「好き」を英語にしてみましょう。
3.I usually …|普段していることを伝える
- I usually cook at home.
- I usually get up at six.
- I usually walk to work.
日常の習慣を話せる型です。always、sometimes、oftenなどを後から加えると表現が広がります。
4.I went … / I did …|過去の出来事を伝える
- I went shopping yesterday.
- I had lunch with my friend.
- I watched TV after dinner.
英会話では「週末は何をした?」という会話がよくあります。最初はgo、have、watchなど、自分が使いやすい動詞の過去形から覚えましょう。
5.I want to …|希望や予定を伝える
- I want to visit Canada.
- I want to speak English.
- I want to try this.
旅行、仕事、趣味など、英語を学ぶ目的そのものを話せます。この5つの型だけでも、自分について多くの短文を作れます。

単語帳と文法書、どちらを先に買えばいい?
どちらか一冊だけ選ぶなら、初心者向けで例文が短く、音声が付いている教材がおすすめです。単語と文法が完全に分かれた教材より、基本的な文の型と日常語彙を一緒に学べるものが使いやすいでしょう。
教材を選ぶときは、次の点を確認してください。
- 説明が多すぎず、一つの項目を短時間で学べる
- 例文が旅行や日常など、自分の目的に近い
- 音声を聞き、声に出して練習できる
- 練習問題だけでなく、自分の文を作る余地がある
- 文字の大きさやページ構成が読みやすい
最初から単語帳、文法書、発音教材、アプリを同時に始める必要はありません。一冊を軸にして、分からないことが出たときだけ別の資料で補うほうが迷いにくくなります。
単語だけを先に覚えると起こりやすいこと
語彙が増えること自体は大切です。ただし、単語帳の日本語訳だけを覚えていると、会話で次のような壁にぶつかりやすくなります。
- 単語は思い出せても、どの順番で並べるか分からない
- 一つの日本語訳に頼り、場面による使い分けができない
- 読むと分かるが、口からすぐ出てこない
- 発音を確認しておらず、言っても通じにくい
新しく覚えた単語は、その日のうちに一文で使いましょう。たとえば予約を意味する reservation を覚えたら、単語だけでなく “I have a reservation.” まで声に出します。すると、実際の場面でまとまりとして取り出しやすくなります。
文法だけを先に勉強すると起こりやすいこと
文法書を順番に進めていると、勉強している実感を持ちやすい一方、会話を始める時期が遅くなることがあります。
- 例外や細かな違いが気になり、先へ進めない
- 正しい文を作ろうとして、話す前に止まる
- 問題は解けても、自分について話せない
- 「まだ準備不足」と感じ、会話を避けてしまう
文法を一項目学んだら、必ず自分の文を3つ作ると決めておきましょう。過去形を学んだら、昨日したことを3文。疑問文を学んだら、次の会話で聞きたいことを3つ。この小さな出口が、文法の知識を会話へつなげます。
大人初心者におすすめの4週間の学び直し方
1週目|5つの型で自己紹介を作る
I am、I like、I usually、I went、I want toを使い、自分について10文作ります。知らない単語は、その10文に必要なものだけ調べましょう。
2週目|自分の単語を20〜30語集める
家族、仕事、趣味、住んでいる場所、週末の過ごし方から選びます。一日5語ほどを短い文に入れ、声に出します。
3週目|質問と聞き返しを加える
- Do you like …?
- Where do you …?
- What did you …?
- Could you say that again?
英会話は一人で話し続けるものではありません。質問と聞き返しを持つと、知っている単語が少なくてもやり取りを続けやすくなります。
4週目|人との会話で試す
作った短文を英会話レッスンなどで使います。すべて暗記する必要はありません。ノートを見ながらでも、自分の言葉が相手に伝わる経験を作ることが大切です。
単語と文法を覚えても話せないときは「取り出す練習」を
読めば分かる単語や文法があるのに、会話になると出てこないのは珍しいことではありません。知識不足というより、限られた時間の中で取り出す練習が足りていない可能性があります。
一人でできる練習として、次の方法があります。
- 今日したことを英語で3文言う
- 写真を一枚選び、見えるものを短く説明する
- 教材の例文を自分の情報へ置き換える
- 音声を聞いたあと、見ずに同じ文を言う
- 次のレッスンで使う一文を準備する
実際の相手との会話では、質問を予測できないこともあります。その場で単語を選び、文の型へ入れる経験が、少しずつ反応速度を育てます。
英会話教室では、単語と文法を「使える形」にできる
独学では単語と文法を自分のペースで確認できます。一方、自分の英文が伝わるか、発音が合っているか、今の自分にどの文法が必要かは判断しにくいことがあります。
英会話教室なら、覚えた一文を実際に使い、相手の反応を見られます。間違えた場合も、その場でより自然な表現を知り、自分の内容でもう一度言い直せます。
独学と教室の役割については、英語を基礎からやり直すなら独学と英会話教室はどっちがいい?で比較しています。
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まとめ|単語と文法は、短い一文の中で一緒に覚えよう
英会話初心者は、単語と文法のどちらかを先に完璧にする必要はありません。
最初は、I am、I like、I usually、I went、I want toなどの短い型を覚え、そこへ自分が使う単語を入れましょう。5つの型と20〜30語があれば、自己紹介、趣味、日常、過去の出来事、希望を話し始められます。
一つ覚えたら、一文作る。一文作ったら、声に出す。そして、人との会話で一度使ってみる。この順番なら、単語も文法も「知っているだけ」で終わらず、少しずつ自分の英語になります。



