英語で何か聞かれたとき、言いたいことはあるのに「この文法で合っているかな」「発音を間違えたら恥ずかしい」と考えているうちに、何も言えなくなることがあります。あとからなら簡単な英文が思いつくため、「分かっていたのに、また話せなかった」と落ち込む方も少なくありません。
間違いが怖い人は、英語を丁寧に学ぼうとする真面目な方でもあります。ただし会話の途中で、学校のテストのように完成した正解を作ろうとすると、考える量が増え、最初の一言が出にくくなります。
英会話で必要なのは、最初から完璧な英文を提出することではありません。分かる範囲を短く口に出し、相手の反応を見ながら情報を足し、必要なら言い直すことです。この記事では、英語の間違いが怖くなる理由と、完璧な英文を待たずに話し始める練習法を解説します。
英語を間違えるのが怖くて話せない4つの理由
1.英語を正解・不正解で考える癖が残っている
学校の英語では、空欄に正しい語を入れ、語順を並べ替え、文法的に正しい一文を書くことが求められました。この経験から、話すときにも「正しい一文が完成するまで口に出してはいけない」と感じることがあります。
しかし実際の会話では、相手の表情や返事を見ながら言い方を変えられます。聞き手も質問したり、言いたいことを推測したりして会話に参加します。一人で答えを完成させるテストとは、使える情報が違います。
2.長い日本語をそのまま英訳しようとする
「週末は久しぶりに学生時代の友達と会って、最近できたイタリアンへ行きました」のような日本語を、一度に英訳しようとすると、時制・語順・前置詞・単語を同時に選ぶ必要があります。どこか一つ分からないだけで、文全体が止まります。
会話では、I met my friend. We went to an Italian restaurant. It was new. のように短く分けても内容は伝わります。最初から日本語と同じ長さの英文を作る必要はありません。
3.訂正されることを失敗だと感じる
講師に言い直されると、「やはり間違えた」「こんな初歩もできない」と感じる方がいます。けれども訂正は、伝わらなかったという判定だけではありません。すでに伝わった内容を、より自然で使いやすい形へ整えている場合もあります。
訂正されるのがつらいときは、会話中は大きな間違いだけ、細かい修正は最後にまとめてほしい、と相談できます。安心して間違えられる環境の作り方は、英会話を始めるのが恥ずかしい大人向けの最初の一歩でも解説しています。
4.沈黙すると能力がないと思われそうで焦る
質問された直後に答えられないと、相手を待たせている気がして焦ります。焦るほど知っている単語も取り出しにくくなり、さらに沈黙が長くなります。
外国語で考える時間が必要なのは自然です。Let me think. や Well… と一言添えれば、答える意思があることを伝えながら数秒考えられます。沈黙をゼロにするより、沈黙の意味を相手へ伝えるほうが現実的です。
完璧な英文を作ろうとすると、なぜ会話が止まる?
話すときは、内容を決め、単語を選び、語順を作り、音にして口から出します。初心者が同時に文法や発音まで細かく監視すると、一度に処理することが増えます。
さらに、文の後半がまだ決まっていないから前半も言わない、という待ち方をすると、相手から得られる反応もありません。会話の材料をすべて頭の中だけで組み立てることになります。
英会話は完成した英文の発表会ではありません。短い一言を出すと、相手が表情や質問で次のヒントを返してくれます。その反応を使って、もう一文を足せばよいのです。
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最初の一言を出せば、相手が Really?、Why?、With whom? などと質問してくれます。その質問に一つずつ答えるだけでも、会話は共同で組み上がります。
完璧な英文を作らず話す5つの練習法
1.最初に結論を一言で出す
長い説明を作る前に、一番伝えたい結論を短く言います。週末について聞かれたなら、It was fun.、I stayed home.、I went shopping. などで十分です。
相手へ話題の方向を示すと、次の質問が返ってきます。最初の一文を「会話の完成品」ではなく「入口」と考えましょう。
2.一文を長くせず、短い文を並べる
because、although、which などを使って一文を長くしようとすると、途中で語順を見失いやすくなります。最初は主語と動詞が分かる短い文を並べます。
- I went to Kamakura.
- I went with my sister.
- It was crowded.
- But we had a good time.
短い文でも、順番に情報を足せば十分な会話になります。話しながら相手の理解を確認できる点もメリットです。
3.考える時間を作る一言を先に言う
答えがすぐ出ないときに使う言葉を、文章を考える前に口に出します。
- Let me think.(少し考えさせてください)
- Well…(ええと……)
- How can I say this?(どう言えばよいかな)
- I’m not sure, but…(確かではありませんが……)
これらは間違いを隠す表現ではなく、会話をつないだまま考えるための道具です。一つだけ選び、毎回同じものを使うところから始めましょう。
4.途中で言い直してよいと決める
話し始めたあとで、時制や単語を間違えたことに気づく場合があります。そのとき、最初から黙って正解を待つ必要はありません。
- Sorry, I mean Monday.(すみません、月曜日のことです)
- Let me say that again.(もう一度言わせてください)
- Not last week. This week.(先週ではなく、今週です)
自分で言い直す力は、間違えない力とは別の大切な会話力です。実際の会話では母語でも言い間違いや説明の修正が起こります。
5.「間違い」だけでなく「通じた部分」も確認する
訂正された一箇所だけを見ると、文全体が失敗したように感じます。講師には、意味は通じていたか、どの部分はそのままでよかったかも聞いてみましょう。
たとえば時制を直されても、使った単語や内容は伝わっていたかもしれません。「通じた部分」と「次に直す一つ」を分けると、毎回すべてを否定せずに復習できます。
レッスンでできる「間違えて言い直す」練習
間違いへの怖さは、間違えない準備だけでは小さくなりません。間違っても会話を立て直せた経験を増やすことが必要です。マンツーマンなら、同じ内容を何度か言い直し、自分に合う訂正方法を相談できます。
練習1.同じ質問に3段階で答える
What did you do last weekend? という質問に、次の順で答えます。
- 一言:I went shopping.
- 一文追加:I went with my mother.
- 理由や感想:We needed a birthday present. It was fun.
最初から3文すべてを作らず、講師の反応を見ながら一つずつ足します。
練習2.わざと言い直し表現を使う
日付・場所・人などを途中で訂正する練習をします。実際に間違えたときだけでなく、練習として Sorry, I mean… を使っておくと、本番でも取り出しやすくなります。
練習3.訂正の希望を講師へ伝える
訂正が多すぎると話すのが怖くなる方は、「まず最後まで話してから直してほしい」「今日は時制だけ確認したい」など、焦点を絞ります。
- Please let me finish first.(まず最後まで話させてください)
- Please correct me after I finish.(話し終わってから直してください)
- Could you correct only the important mistakes?(大切な間違いだけ直してもらえますか)
言葉が出ない原因全体を整理したい方は、英会話で言葉が出てこない7つの原因と練習も参考にしてください。
間違いへの怖さを強くする練習になっていないか確認しよう
練習量を増やしても、毎回すべてのミスへ赤を入れ、できなかった数だけを数えると、話す前の警戒が強くなることがあります。
- 一度に直すテーマを一つに絞る
- 録音を聞くときは、通じている部分も一つ探す
- 新しい表現を増やすより、同じ短い話を言い直す
- 講師が話している時間より、自分が試す時間を確保する
- 言えなかった一文を次回もう一度使う
レッスン中に分からないまま反射的にYesと言ってしまう場合は、英会話レッスンで分かったふりをしてしまうときの対処法も確認してみてください。
よくある質問
文法をもっと勉強すれば、間違いが怖くなくなりますか?
文法知識は役立ちますが、知識が増えるほど確認項目も増えることがあります。文法学習と並行して、短い文を口に出し、言い直す練習を行いましょう。
間違った英語を繰り返すと癖になりませんか?
間違いを放置して同じ形だけを繰り返せば、癖になる可能性はあります。ただし、まず話してから講師と修正し、正しい形でもう一度言えば、会話と修正を同時に経験できます。話さないことだけが安全な方法ではありません。
講師に何度も訂正されると落ち込みます
訂正の量とタイミングを相談してください。一度にすべて直すのではなく、今日は時制、次回は発音というように焦点を絞る方法があります。相性や訂正方法を調整できない場合は、講師や教室への相談も検討しましょう。
英語を間違えたら相手に失礼ではありませんか?
丁寧に伝えようとする姿勢があれば、文法上の小さな間違いが直ちに失礼になるわけではありません。大切な日時・金額・否定などは、短く言い直したり、相手に確認したりして誤解を防ぎましょう。
まとめ|英会話は、正解を出すより会話を修正し続けるもの
英語を間違えるのが怖いときは、正しい一文を完成させるまで待ち、長い日本語を一度に訳し、訂正を失敗として受け取っていないか確認しましょう。
最初に結論を一言で出し、短い文を足し、考える時間を作り、必要なら途中で言い直します。相手の反応を使えるようになると、一人で完璧な英文を作る負担が減ります。
間違えないことを会話の目標にするのではなく、間違えても意味を確かめ、修正して、もう一度使えることを目標にしてください。その経験が増えるほど、最初の一言を出す怖さは少しずつ小さくなります。
人前になると緊張して頭が真っ白になる場合は、英会話で人前になると話せないときの対処法で、レッスン前・その場・終了後の戻り方を整理しています。
発音が通じるか不安で声を出せない場合は、英語の発音に自信がなくて話せないときの考え方で、通じる発音の目標と聞き返されたときの戻り方を整理しています。
ほかの受講生と比べて落ち込み、話しにくくなる場合は、英会話初心者が周りと比べて落ち込むときに確認したいことで、自分の成長を測る基準を整理しています。
恥ずかしさ・間違い・人前の緊張・発音・周りとの比較など、英会話初心者が話せなくなる不安をまとめて整理したい方は、英会話初心者が恥ずかしくて話せないときの悩み別ガイドをご覧ください。
自分の英語で練習してみたい方へ
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